初めての韓国

2016年タンデム旅行
6月5日 日曜日



8時起床。

バーでコーヒーをテイクアウト、300円。
うっすらと韓国が見える。

DBSフェリーは鳥取発、韓国経由、ウラジオストク着。
これから韓国の東海(DONG HAE)に寄港する。

同室のエレナ、テルマとアトム。
ロシア人のエレナは日本で日本人と結婚し、今回は子供二人とロシアに里帰り。

小型船が近付いてきてイースタンドリーム号に体当たり。人が乗り込んできたけど海賊ではなかった。

9時30分東海着。
初めての韓国。
奈奈にとっては初めての外国。

車は右側通行。
違和感を感じながらそのまま散歩。

日本と似てるような、似てないような。
都会、ではない。
歩いてる人も少なく、店もほとんど開いてない。
あっ、今日は日曜日か、それでかな。

境港でもらった手書きの地図を頼りにスーパーを探すが、見つからない。
奈奈と二人でテクテクテクテク。




あまり日本と変わらない風景。外国に来た実感は薄い。

12時には船に戻らなければいけないのでぐるりと回ってUターン。
結局港近くのMINI STOPに入ることに。

ピーナツのパンとクリームサンドビスケット、ゴボウ茶とコーヒーを持ってレジに向かう。

手持ちにウォンがなく、円もないのでドルで支払う。5,900ウォンに6ドルを渡すと100ウォンのお釣りをくれた。船の外でも1,000ウォン=100円=1ドルの計算のようで分かりやすい。店員はにこやかで親切。

公園で休憩。コンビニで買ったパンとビスケット、お茶とコーヒーが昼ごはん。味が濃くなく、微妙な味わいを楽しむ。どれも美味しい。

港に戻るとBMWが一台。
フランコが地図を広げて韓国人ライダーと喋っている。
韓国人ライダーの名はキホン、フランコの友達のようだが船には乗らないみたいだ。

地図はモンゴルが中心に写っていて、キホンはその地図を指差しながら、ここはアスファルト、ここは深い川、と英語でフランコに説明している。
キホンも世界を旅するバイカー、モンゴルにとても詳しい。

ガソリンの質が悪い地域があるようで、その辺りは80オクタンしかなく、ロシアで予備タンクに97オクタンを入れてモンゴルに入り、80オクタンと混ぜるようにフランコにアドバイスしていた。
バイカーの交流、聞いているだけで楽しく、参考になる。と言っても・・・。

旅人同士、会話の基本は英語。英語が分からなければそれこそ話にならない。この時点で早くも痛感する。オーストラリア人のフランコと韓国人のキホンの会話、一割も分からない。

2時間足らずで船に戻る。初の韓国は、散歩して、コンビニで買い物しただけで終わった。
今回の旅はロシアから本格的に始まる。韓国はまた別の旅で楽しもう。

14時出航。部屋にカップルが一組入ってくる。ロシア人のアイヴァンと韓国人のヘイン。アメリカを車でグルグル回り、今度はロシアからヨーロッパを車で旅するのだという。この船は韓国からの旅人が多そうだ。

奈奈が風呂に入っている間に1時間ほど寝る。熟睡。
奈奈に起こされて目が覚めると部屋の中が騒がしい。向かいのベッドの上段からおっきいおばちゃんが降りていて、アイヴァンがそのおばちゃんの体を支えている。
奈奈は下の段の俺におばちゃんと代わってあげて、と言う。
ということで、おばちゃんとベッドチェンジ。
おばちゃんの上に奈奈、エレナの上に俺。テルマとアトムにアイヴァンとヘイン。
8人部屋に8人。

18時にレストランへ。ロシア料理を期待していたが、韓国料理のバイキング。
テーブルが空いていて、奈奈と隣同士に座る。イゴールとフランクが向かいに座る。
いただきます、と食べ始めると、突然奈奈が目の前を歩く男に話し掛ける。TシャツにはHARLEY-DAVIDSON の文字が・・・。

バイキングで山盛りになった皿を持って同じテーブルに付いたその男の名はハン、ハーレースポーツスター、48 フォーティーエイトに乗る韓国人ライダーだ。
ハンの向かいにもう一人の韓国人が座る。名前はチョイ、バイクはホンダ スーパーカブ。スーパーカブで世界旅行・・・。
他にも東海でバイクと共に何人かのライダーが乗ってきているようだった。

レストランを出て甲板を散歩。
「私は先に寝るけど、明生は遊びに行ってていいよ」と、奈奈に促されて、一度は部屋に戻るも遊びに出ることに。バーにフランコがいるかも。まだ寝るには早い時間、どこかに誰かがいるだろう。

甲板に出ると、テーブルにハンとチョイが座っている。
ハンは45歳の元プロボクサー、現役時代はバンタム級。ソウルでハーレーに乗っているが、今回の旅はBMW。
チョイは30歳。なんと2か月前に免許取ったばかりでロシアからユーラシアを旅するのだと言う。

チョイが英語を話せるので少し会話ができた。
「ハバロフスクまで一緒に行かないか?」と言われ、迷ったが、オーケー、と言い、ハン、チョイと共にハバロフスクまで一緒に走ることになった。

しばらく3人で喋っていると、ナイトクラブから出てきた男が一人、話し掛けてきた。
名前はチョンハン、日本語を喋る。チョンハンもバイク乗りでBMW で来ているようだ。
チョンハンによると、11年前まで韓国人が外国をバイクで走ることはできなかったそうで、解禁になったのがちょうど10年前。チョンハンはその最初の年に釜山から福岡に船でバイクを運び、日本を旅した、韓国のワールドツーリングライダーのパイオニア。本業は漫画家だがここ10年は漫画は書かず、世界中をバイクで旅している。日本も一周している。
今回はガイドとして3人の韓国人BMWライダーと共にユーラシアを走るらしい。

夜が深くなってきたので解散。
部屋に戻る前にバーを覗くとフランコがいる。
フランコの隣には境港から乗ってきていたワシントン在住のトムと名前の分からない韓国人。フランコとトムはいつも一緒にいる。

トムは北欧経由で旅をすることを勧めてきた。バーの店員にもらった紙にノルウェーとスウェーデン、フィンランドの地図、そしていくつかの港の名前を書き、手渡してくれた。
みんなとても親切。
みんなの会話の内容はほとんど分からないし、聞きたいことも聞けないけれど、こうして一緒にいることが大事。遊びに出てよかったと思う。

バーの閉店時間。注文した韓国の酒は飲みきれずにテイクアウト。船の揺れと酔いでゆらゆら、おぼつかない足取りで部屋に戻る。
明日はロシア、ウラジオストク。





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