メッツラーME888マラソンウルトラ超耐久テスト!

こんなんなるまでよく頑張ってくれた・・・
at Vitoria, Spain

超耐久テスト、メッツラーマラソンウルトラ(METZELER ME888 Marathon Ultra)のインプレッションです。

超耐久テストシリーズ、目次はこちら→『超耐久テスト!目次



上の画像は超耐久テストの犠牲になったME888マラソンウルトラリアタイヤの交換前の表情です。

結論から先に書くと、リアタイヤは2万3,000kmほどでスペインビトリアにて交換、フロントタイヤは3万km以上持ち、日本に戻ってしばらくしてから交換しました。



リアタイヤ2万3,oookmで交換


メッツラーME888マラソンウルトラリアタイヤ、これまでの経験から、3万km以上は持つかな?と思っていましたが、想定していたよりも早く磨耗限界にきました。
荷物満載でのタンデム走行がその最たる原因なのですが、タンデムはさておき、問題は荷物満載の「満載具合」にあります。

自作FRPボックス、トップボックスの容量は約70リットル、サイドボックスの方は35リットルがふたつ、合計140リットル容量満載の荷物の荷重がほぼリアに掛かっている状態だったのです。強度を確保するために5プライ(樹脂とガラスマットを5回積層)で作っていたのでボックス自体の重量もかなりあります。

プラス成人女性ひとり分がほぼリアタイヤの真上、ホイールのセンター上に加わります。
明らかに過積載、リアタイヤに掛かる荷重と負担は街乗り走行の比ではありません。

荷物の正確な重量は計っていないのでわかりませんが、荷物満載の状態で乗った感じは少し古いFL、ウルトラに乗っている感覚です。スポーツスターのフレーム剛性にウルトラの重量感があるようなものです。

ロシア横断1万kmは問題なく、エストニアからフィンランド、ノルウェーと北上していき、北極圏に入ってもタイヤに関しては特に問題はありませんでした。

異変に気付いたのはドイツ、アウトバーンのサービスエリアで休憩中ふとタイヤに目をやると、リアタイヤの真ん中だけが極端にすり減っていたのです。溝はまだ残っていましたが、タイヤの形が台形というか真ん中が平らになっていました。

ドイツのアウトバーンはアスファルトが硬くザラザラした感触で、カーブも勾配も穏やか、最短距離でまっすぐ走るにはいいのですが、荷物満載タンデムだとタイヤの真ん中だけズルズル削られていくのです。

ハーレーダビッドソンアムステルダムで「早めにタイヤ交換した方がいいよ」と言われたのですがハーレーダビッドソンアムステルダムには合うサイズのタイヤの在庫がなく、スペインマドリードのハーレーディーラーがすごくいいという話を旅の前から聞いていたのでマドリードでタイヤ交換をしよう!と思い、オランダからベルギー、フランスへと進みました。

行き当たりばったりで目的地を変えていたのでフランスからイギリスへ行くことになったのですが、この辺りでリアタイヤが限界にきていました。
タイヤの真ん中が真っ平ら、マドリードへ急げ!


美しい湖水地方、ケンダルで迷子
at Kendal, England

イングランドの北まで行ってUターン、ジャージー島でしばし休息してからフランスへ戻り、スペインに入りました。



ジャージー島で人生最高の雷に遭遇
in Jersey

で、『スペインでこけました』。

マドリードまで200キロメートル女神がいる街ビトリアであえなくタイヤ交換と相成りました。

メッツラーME888マラソンウルトラは悪くありません。むしろスペインまでよく頑張ってくれたと思っています。



フロントタイヤ3万数千kmでも車検合格レベル


メッツラーME888マラソンウルトラフロントタイヤ、ユーラシア大陸往復走破(正確には復路モスクワからウラジオストクまで1万kmはシベリア鉄道)。

3万km超走り、溝はまだまだ残っていて車検合格レベル、極端なリア荷重が功を奏したのかも?
グリップ感は維持したまま、ハンドリングにも違和感がなく、懸念していた偏磨耗もありませんでした。素晴らしい耐久性と耐摩耗性。



ME880マラソンとの比較


メッツラーの旧モデル「ME880マラソン」との比較です。

「ME888マラソンウルトラ」はツーリングタイヤとして定評のある「ME880マラソン」の後継モデルで、耐久性・耐摩耗性に優れたME880よりもさらにマイレージを向上させた、ハーレー用としてはメッツラー最新のツーリングタイヤです。

メッツラー公式サイトでの製品情報にはこう書かれています。

”Ultra mileage.
Metzeler performance.
ハーレー・ダビッドソンを中心とした”V-Twin”カスタムバイクライダー、そしてビルダーから絶大な信頼を誇る「ME880 MARATHON」、その優れた性能の中でも、特にマイレージを向上させた新たな製品「ME888 MARATHON ULTRA 」の登場です。
「ME888」ではコンパウンド、プロファイル、トレッドパターン、そして接地面形状といった、多くの部分を新たに設計し、「ME880」で定評のあった優れたグリップ、軽快なハンドリング、そしてウェット性能を犠牲にすることなくマイレージを向上させました。”

ME888はこの説明の通りのタイヤだと思います。
”コンパウンド、プロファイル、トレッドパターン、そして接地面形状といった、多くの部分を新たに設計”
とのことですが、ME880から履き替えても違和感なく、ME880の特性そのままにグリップは若干向上、ウェットグリップは大幅に向上しています。ME880が好きな方はすんなりと入っていけるでしょう。

同じ条件で走ればME880よりもロングライフのようなので、ツーリングタイヤとして申し分ないと思います。ロングライフ性能で言えばスポーツスターに履けるタイヤでこれ以上のタイヤは思い浮かびません。



総合的に


現在スポーツスターにはフロントにコンチネンタルクラシックアタック(Conti Classic Attack)、リアにブリヂストンBATTLAX BT-45Vを装着しています。
特にフロントのクラシックアタックが異次元と言えるほど秀逸なので、これと比べるとME888マラソンウルトラはドライ&ウェットのグリップ性能、旋回性、乗り心地、ハンドリング・・・などなど、あらゆる面で見劣りします。

詳しくは『Conti Classic Attack / F19インチ スポーツスターに最高のタイヤを装着』に書いていますが、コンチネンタルクラシックアタックは19インチナローサイズ唯一のラジアルタイヤで、フロント19インチスポーツスターに履けるあらゆるタイヤと比較してもレベルが違います。一度クラシックアタックを履くともう他のタイヤを履く気にはなれません。

クラシックアタックが存在しなかったとした場合、ME888マラソンウルトラは総合的に見て非常に優れたタイヤだと思います。特にツーリング用途では信頼性が高く、安心して長く走れる素晴らしいタイヤだと思います。
タフで頑丈、偏摩耗しにくく、溝がなくなるまで使いきれる数少ないタイヤです。

釘を踏んでも空気が抜けにくいのもメッツラーマラソンシリーズの特徴ですね。これもツーリングには心強い要素のひとつです。とりあえず自走でどっかまではいける。

ただ、やはりクラシックアタックを知ってしまうともう元には戻れません。
今回は超耐久テスト、メッツラーマラソンウルトラのインプレッションなので割愛しますが、コンチネンタルクラシックアタック、とにかく乗っていて気持ちがいいのです。



メッツラーマラソンに感謝!


メッツラーME888マラソンウルトラでなければ旅は途中で終わっていたかもしれません。タイヤにとって超過酷な状態でしたが、パンクせず、バーストもせず、摩耗限界まで耐えてよく走ってくれました。

タイヤ交換のタイミングが遅くなったのはライダーである私の責任、スペインビトリアでこけてパッセンジャーは痛い思いをしましたが、こけたおかげで素晴らしい人たちとの出会いもありました。こけたのがビトリアで良かったと心から思っています。

とにもかくにも、ライダーパッセンジャー&ありえないほど満載の荷物を支え続けてくれたメッツラー、ME888マラソンウルトラに感謝です。



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