オムスクのパイプ作家Alexandr Penkov の工房見学と4度目の溶接

2016年タンデム旅行
6月26日 日曜日
オムスク ロシア



朝食はケメロボでウラジミールのママにもらったいちごジャムとプレッツェル。

最高!

アレクサンドルペンコフの家まで宿から数Km 、10時に会う約束をしてFacebook で今から行くとメッセージを送って出発。雨降ってるからカッパ着用。携帯電話がないから人と会うのもひと苦労。
細い道に入るとアスファルトはさらにボコボコ、笑けるくらい大きな穴が空いてて避けきれずに奈奈を降ろしてソロで通過。笑うしかない。
ノーシムカードオフラインのiPhone でオフラインで動く地図アプリを奈奈が見ながらナビゲート。アレクサンドルペンコフの家に近づくとこっちに向かって手を振るでかいロシア人。家の外に出て待っててくれてた。



「Nice to meet you」
アレクサンドルペンコフは英語を話す。アパートの前の路上にバイクを止めて、リアボックスマウントの破損を見てもらい、5階建ての5階に上がる。
家に入ると奥さんが小さい男の子を抱いて笑顔で登場、初めましてと挨拶してアレクサンドルにとりあえず手を洗えと言われて手を洗ってシベリア走行でドシャドシャに汚れたカッパを脱ぐ。アレクサンドルになんて呼んだらいいか聞いたら「サーシャかアレックス」と言われたからサーシャと呼ぶ。家の中はいい匂いが漂う。
家の中を案内しながら3人の子供たちを紹介してくれた。






いい匂いの正体はブリニー(ブリンチキ)。椅子に座るよう促され、もてなされる。
わぁ、ブリニー大好き!と奈奈が言うと奥さんのイーラが笑う。サーシャが「これは正確にはブリンチキでブリニーではない。ロシア人でも間違っている人が多いが、薄いのがブリンチキ、分厚いのがブリニーだ」と説明してくれる。





手作りのクワス、ロシアの伝統的な飲み物。これは本物のクワスで少しアルコール成分がある、とサーシャが説明してくれる。マガジン(売店)で売ってるクワスはノンアルコール。
いちご、スメタナ、コンデンスミルクを極薄のブリンチキで巻いて頂く。イーラのブリンチキ最高!






サーシャはパイプ作家、タバコを吸うための道具スモーキングパイプを製作している。バルコニーを作業場にしていた。
早速作業場を見学。





いろんな素材と道具、残念ながら完成品のパイプはなかったが、制作中のパイプなど興味深いもので溢れるワークショップ。


キャラバッシュ型のパイプの説明を受け・・・



そのまま喫煙、人生初のキャラバッシュ型パイプ。サーシャのパイプは驚くほど煙がスムースでソフト、クリアで豊かなタバコの味と香り。






詰めてくれたタバコはオムスクパイプクラブのオリジナルミクスチャー。初めての味。
リーフは世界のいろんな土地のものでサーシャも分からないみたい。ロシアでは質のいいリーフを育てることは難しく、外国から葉っぱを集めてミックスをロシアでしているとのこと。初体験尽くしの工房見学。



実物を見ながら、パソコンを見ながら、いろいろとパイプの説明をしてくれるサーシャ。
「今売り物のパイプはないんだ、ごめんね」と商売っ気もなく、気を使うこともなかった。
サーシャのパイプは中国人のスモーカーがよく買うそうで、中国人はファットな(太い)パイプが好きみたい。サーシャの友達の中国人コレクターが発刊したパイプ本を見せてもらう。二人の中国人による500本のイヴァルソンパイプコレクション。中国の金持ちはパイプスモーカーが多い。
サーシャは日本のパイプ作家の徳富博之さんの体調を気にしていた。





(これはバイクのブログなのでこの辺にしときますが、趣味喫煙の世界は奥が深いです。)

















イーラと子供達も見ず知らずの日本人旅行者が突然家にやって来て驚いたやろうけど歓迎してくれて嬉しく思う。


有意義な時間を過ごし・・・


食卓に戻ってブリンチキを食べながらチャイを頂く。奥さんのイーラもほんま親切でいい人。

チャイを飲みながら溶接のできる修理工場の場所をサーシャに聞く。サーシャは誰かと電話で話し、紹介してくれたのはバイカーのバレラという男。画像を見ると超コワモテ。サーシャ曰く「彼は困っているバイカーのお願いに対して絶対に"NO" と言わない」
バレラが待ってるからとすぐに出るように促される。待ち合わせの場所をいつもの地図アプリに入力して支度して外に出る。












サーシャありがとう。イーラと子供達もありがとう。





メッセージは
HAVE A GOOD SMOKE A.PEN'KOV OMSK
サーシャと別れ、バレラの元へ。
サーシャに聞いた場所に走るとバカでかいトライクに乗った男が葉巻を吸いながら待機している。間違いなくバレラ、手を上げて合図を送るとバレラも手を上げてそのまま付いてこいの仕草、バレラの見た目、佇まい、ゴールドウィングのトライク、全てがかっこよすぎて俺も奈奈もテンション上がって笑いが止まらん。














バレラについて走る。道が良くなってきた。







メインストリートは道がいいが、少しそれるとまたボコボコ。







しばらくオムスクの凄まじいアスファルトを走ってたどり着いた所には沢山のバイクが。









バイク屋?修理屋?ここはオムスクのバイククラブの本拠地。








早速入庫。







メカニックが丁寧な仕事で作業を進め、バレラもずっと手伝ってくれる。
途中タバコが欲しいからスーパーマーケットどこにあるかと聞くとバレラがトライクの後ろに乗っけて連れて行ってくれた。ゴールドウィングトライク、凄まじいトルク、悪路をぐいぐい進む。
スーパーマーケットでタバコを買うが、本当の目的はバンカマート(ATM)、財布に金がなかった。スーパーマーケットによくバンカマートがあるが、ここにはない。金がないからバンカマートに行きたいと言うとバレラは頷いたが、バンカマートには寄らずにバイククラブに戻った。まあ、バイクが直ったら走ってバンカマートで金出して戻ったらいいか。








素晴らしい溶接とアイデアで修理プラス補強をしてくれ、ひと安心。バレラにいくらか聞くと
「金は必要ない、プレゼントだ」
念願だった補強が叶い、結果的にこの町で大破して良かったと思う。








バレラ、バイククラブのみんな、メカニックに感謝。











バレラの先導で無事ホテルに到着。握手とハグと笑顔でバレラは去っていく。最初から最後までかっこ良かった。バレラ、ほんまにありがとう。






バレラは最高のバイカー、彼を紹介してくれたサーシャは俺に何が必要か、全て分かってた。
オムスク、アスファルトは最悪やけど、大好きな街。そう思えるのは出会った人たちのおかげ。
ということで無事直ってさらに強くなったXL1200。明日はオムスクを出て少し先に進む予定。





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