リアボックスマウント完全崩壊

2016年タンデム旅行
6月25日 土曜日
バラビンスク〜オムスク ロシア



今日の目的地は350Km 先のオムスク。
日本を発つ前からロサンゼルスの栗原さんがFacebook を通してある女性を紹介してくれていた。名前はターニャ、8年前に栗原さんがユーラシア大陸を自転車で横断した時にホストした女性で、オムスクに住んでいる。ケメロボのウラジミールもターニャのことを知っていて、俺らがオムスクに着いたら彼女に会えるように段取りしてくれていた。
Facebook でターニャから奈奈にメッセージがあり、彼女の家が今補修中で家に泊めることはできないが、代わりにホストしてくれる友達がいるということで別の女性を紹介してくれた。
とてもありがたい申し出だったが、断った。バイク、特に装備に不安があり、ケメロボで修理をしたがまたいつ壊れるか分からない状態だったからだ。万が一壊れた場合に世話してくれようとしている人に迷惑がかかりそうで、その状態で女性宅に転がり込むのはなおさら気が引けるというか面倒に思えた。旅の前から連絡を取り合っていたターニャには悪い気もしたが、Booking.com でホテルを予約し、オムスクに向かうことにする。
オムスクには別の目的がある。Alexandr Penkov に会うこと。彼はオムスク在住のパイプ作家。パイプとはタバコを吸うための道具、スモーキングパイプのことで、完全に俺の趣味。予約したホテルにはWifi があるから無事にたどり着いたらホテルからメッセージを送って自宅兼工房を訪れる予定。うまくいくといいが・・・。





準備して出発。
幹線沿いの宿は出発が楽。どんどん進む。













天気もよく、順調!








給油後の一服はガソリンスタンドの敷地外まで出てから。








ガソリンスタンドではよく陽気なロシア人が話し掛けてくる。
「俺の車は日本製で30年物やけど最高や!お前なんで日本人やのにアメリカ製乗ってんねん!」
ロシア人は日本車が大好きで、大概日本人の俺がアメリカ製のハーレーに乗ってることをバカにする。嫌な感じではなくて、笑いのネタとして。日本のものづくりを誇りに思う。

出発前の点検で発覚、リアボックスのマウントがポッキリ・・・。
紐で応急処置、予約した宿まで持つやろか。






順調に進み、オムスクに入る。

そのまま進むが、だんだんと道が悪くなっていき、気がつけばアスファルトがガッタガタ。大きな穴に深い穴、ひび割れた轍に洗濯板状のアスファルトが延々続く。街中ではこれまでで最悪レベル、どこまでいってもボッコボコのガッタガタのまんま。穴ぼこも全部避けようがないしもう無茶苦茶。ガシャンガシャン音を鳴らしながら走行する。
凄まじいアスファルトと交通量、慎重に進むが・・・。

「ガツン!」という衝撃と音、奈奈が肩を叩く。
「あっ!もうダメダメ!完全に壊れたっ!」
奈奈が叫ぶ。ボックスの状態がどうなってるか分かれへん、落ちた?。周りは車だらけ。けど止まるしかない。バイクを端に寄せる。











紐のおかげで後方に脱落することはなんとか回避できたが完全にマウントが崩壊。止まったのは運良く信号の手前、後続車に注意しながらバイクを安全な場所まで移動させて紐をほどいてボックスを降ろす。





4か所の接点がポッキリと折れて、もうどうしようもない。
クッション代わりにステーの隙間にテントを入れてたから車体の被害は最小限で済んだ。テールランプとナンバープレートが少しへこんだくらい。奈奈にも怪我はない。
ステーがポッキリ折れた時のことを考えて紐を掛けてたのが功を奏し、ボックスが脱落することはなく、周りの車に被害を及ぼすこともなかったのがせめてもの救い。
でもほんまにもう滅茶苦茶。
旅がここで終わるかも・・・。

と、一瞬思ったけど、きっとなんとかなる。普通やったらここで家に帰ってるやろうけど、普通じゃないからここにいてる。ほんまに珍道中やなこれ・・・。
予約した宿まで17Km 、奈奈はバイクを押していこうと言うけどそれは不可能。この先の道の状態と上り下りが不明。奈奈とボックスをタクシーに乗せる、という案も不安。いくつか案を出し、最終的に決まったのは・・・。






紐でシートに括り付ける。これしかない。





シートのタンデム側にボックスを乗せて紐でガチガチに固定する。俺が前よりに座ったらなんとか奈奈も座れる。運転しにくいけどこれでいくしかない。奈奈も狭くてきついけど17Km の我慢。











くそあっついストリートで数時間思案して一服して汗だくになりながらバイクにボックスくくりつけてなんやかんややってる間にヘルメットの中は蟻んこだらけ、もうほんま滅茶苦茶、笑うしかない。
ヘルメットの中を逃げ回る蟻んこたちを降って叩いてタオルで拭いて1匹残らず追い出して準備完了。宿まで17Km 一人乗りのスペースに二人乗ってスタート。珍道中真っ最中。





アレクサンドルペンコフの家に行くとかもう今は何も考えられへんしとりあえず無事ホテルに着けるかどうかこの先の道の状態次第。











そのあとはもう必死すぎて記憶がない。17Km 走って宿付近のカフェに飛び込む。この辺のはず。なんかカフェってゆうよりレストランっぽい。Wifi あるからとりあえずコーヒーとペプシを注文してiPhone で宿の場所確認、やっぱりこの辺やけどよお分からん。店員に聞いてその方向に進む。





あった!着いた〜。
チェックインしてパソコン開いてFacebook 見たらアレクサンドルペンコフからメッセージ。約束の時間をだいぶ過ぎてるから心配してる。とりあえず謝って今日行かれへんようになったからまた明日か明後日に行きたいですとメッセージを送ってパソコン閉じる。
もし明日アレクサンドルペンコフに会えたら修理工場の場所を聞こう。ほんで修理と補強してもらおう。アレクサンドルペンコフは職人、もしかしたら腕のいい溶接職人を知ってるかも。
ケメロボの修理工場では一緒にいたウラジミールの家族、サーシャとお母さんと犬に気を使って補強することはなかった。補強には職人のアイデアと素材、時間が必要で、サーシャとお母さんと犬にそこまで付き合わすのは悪く思った。この街オムスクでじっくり時間を掛けて補強しよう。



とりあえずさっきのカフェに行って飯。いつもの定番メニューペリメニが、ない?聞くとここはウズベキスタン料理屋。よく見たら店員みんなウズベキスタン人。



どっっっと疲れがきたけど最高にうまいウズベキスタン料理で英気を養って明日からまた頑張ろう。きっとなんとかなる。





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