5ヶ月3万km超走ったNGKイリジウムプラグの磨耗具合








 


昨年のユーラシア大陸横断時、出発直前にNGKのイリジウムプラグを装着しました。
プラグのギャップはメーカー(NGK)規定値の0.80mmに合わせ、予備のプラグを数セットサイドボックスに忍ばせて出発したのですが、結局現地でプラグ交換をしないまま3万km以上走行し、帰国しました。



装着していたのは「DCPR7EIX」という品番のイリジウムプラグです。



NGK ( エヌジーケー ) イリジウムIXプラグ (分離形/ターミナル付)1本 【2493】DCR7EIX


NGKのホームページで確認すると、イリジウムIXプラグ品番の交換距離の目安は下記のようになっています。

・四輪車 15,000~20,000km
・軽四輪車 7,000~10,000km
・二輪車 3,000~5,000km

私のハーレーに該当するのは二輪車の「3,000~5,000km」になります。これが二輪車において、プラグメーカーNGKが推奨するイリジウムIXプラグ品番の交換距離の目安となります。
個人的な感想としては、これまでの経験から「DCPR7EIX」プラグは3,000~5,000kmで性能が落ちることは無く、1万km以上は余裕でもつ(点火プラグとしての著しい性能の低下がない)といった感覚です。

NGKとしてはハーレーに限らずありとあらゆる二輪車を対象としているので、車種によっては「3,000~5,000km」で交換すべき車両もあるでしょう。走り方などでも大きく変わると思います。
私が乗る私の車両に関してはこの範囲ではありませんでした。

とはいえ、出発前からトラブルがなければ数万km一気に走ることは分かっていたので、使用済みでかつ調子のいいプラグを数セット用意して旅に出ました。
中古のプラグを予備として持って行ったのは、新品プラグの初期不良を恐れてのことでした。調子よく走れてトラブルのない実績のあるプラグを予備として選んだのです。

普段よりもハードな走行になることが予想されたので、「DCPR7EIX」に関しては「1万kmくらいもてばいいかな〜」と思っていました。1万kmというとちょうどウラジオストクから走り出してモスクワに着くあたりです。モスクワに着いたらプラグ交換・・・?
ところが、モスクワに到着しても点火能力が落ちている感じが全くしません・・・。

旅中は特にものぐさな部分もあるのですが、調子よく走れている時に何かを変えたくない、という思いもあり、モスクワで前後エンジンマウント交換、サンクトペテルブルグでフロントフォークのオーバーホール、エストニアでエンジンオイル交換・・・と、各地で必要なメンテナンスや消耗品の交換、修理をしている間も、プラグの調子は良く、プラグ交換をする必要性を感じませんでした。

その後フィンランド、ノルウェー、スウェーデンでもバイククラブやハーレーショップなどで様々な整備をし、消耗品を交換しましたが、プラグは調子の良いまま。
ドイツやオランダ、スペインなどでも大きな修理をしましたが、プラグは依然好調をキープしたままです。

私はプラグの性能劣化には少し敏感で、少しでも点火能力が落ちたと思えばプラグを外して清掃してギャップを調整し、それで回復しなければ即交換するのが通常です。プラグひとつでバイクの調子がすぐれないなんてもったいなくて嫌なんです。

予備も持ってるしいつでも変えたるぞ〜という気持ち・・・でも、プラグがいつ悪くなるのか気にかけながら走行を続けた果てに、結局プラグ交換することなく3万km超走って日本に帰ってきました。
気温マイナスのロシアでもエンジンは掛かり、ぐずることなくしっかりと火花を飛ばし続けてくれました。

日本に帰り、少々の不動期間があったのですが、少しずつメンテし、プラグも交換しました。3万km超使用したプラグがこちらです。






 


プラグ先端、中心電極と外側電極に注目して欲しいのですが、中心電極の真上の外側電極、ちょうど火花が当たる部分が磨耗しているのがわかるでしょうか?




 


上の画像のように、外側電極の内側、中心電極と向かい合う面は本来真っ平らなのですが、そこが磨耗していました。中心電極にも若干の磨耗が見て取れます。

プラグのギャップを計測すると前後ともに約1.1mmに広がっていました。
0.80mmに合わせたギャップが約1.1mmに、つまり0.3mmほどギャップが広がっていたということですが、これでも著しい性能の低下はなく、不具合もなく、調子良く走れていたのです。

イグニッションコイルなどの点火系統に特段の不具合がなければ(普通に調子が良ければ)、1.1mm以上にギャップを広げてもプラグ電極間に火花は飛びます。電極間のギャップが広ければその分大きな火炎核が形成され、燃料の燃焼には有利に働きます。
電極が磨耗してプラグギャップが広がることを見越して狭めの「0.80mm」に合わせて旅に出たのですが(といってもNGKの規定値ですが・・・)、結果的にこれが功を奏したように思います。

最初からプラグギャップを広めにとって、例えば1.1mmに調整して旅に出ていたら、帰ってくる頃には1.4mmになっていたかもしれません。実際にどうなるのかはわかりません。今回以上に磨耗が広がっていたのかもわかりませんし、それでもしっかり火花が飛んで調子が良かったのかもわかりません。大なり小なりリスクもあったとは思います。

いずれにしても、NGKのイリジウムプラグ「DCPR7EIX」は、期待以上の耐久性を見せてくれました。トラブルもなく、純正の標準プラグ以上の元気な火花を飛ばし続けてくれて、とても良いプラグだと思います。リピートしたいところですが・・・
趣を変えてニュープラグを導入することにしました。





 

特殊な形状のこのプラグ、詳細は後日改めて。



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